Argonautic machine

はやぶさ」帰還がほぼ確実に

 人類初の小惑星の岩石採取に挑戦した探査機「はやぶさ」が、地球の引力圏内に突入する軌道に到達した。宇宙航空研究開発機構JAXA)が14日、明らかにした。はやぶさの地球への帰還がほぼ確実になり、採取した岩石を入れるカプセルが地球へ戻る可能性が高まった。

 はやぶさは03年5月に打ち上げられ、地球と火星の間の軌道を回る小惑星イトカワ」に向かい、2度の着陸と離陸を成功させた。トラブルに見舞われ、帰還予定は3年延びたが、13日に地球から約150万キロの地球引力圏の内側を通過する軌道に乗せることに成功した。14日現在、はやぶさの地球までの距離は約5900万キロ。今年3月中旬まで主エンジンの運転を続け、より地球に近付ける。今年6月に地球へ到達する予定。【永山悦子】

JAXA/JSPEC/小惑星探査機「はやぶさ」

平成22年1月13日

はやぶさは、先週からまた一歩地球に接近する軌道へと移りました。最接近距離は、約140万km です。面外からの接近状況も計画通りに推移しています。地球の引力圏を通過する軌道へのったということは、はやぶさが地球への往復飛行に一応の区切りをつけたこと、帰還できたことを示しています。

今後は、月軌道半径を通過する軌道へと移行し、また地球大気への再突入、そして地上でのカプセル回収と一歩一歩進めていく計画です。地球まで約6000万km。イオンエンジンによる航行もあと2ヶ月となりました。

はやぶさ」地球引力圏を通過する軌道に帰還できました

今週のはやぶさ君

2010年1月14日[更新]
はやぶさ君は、今週も地道にイオンエンジンによる加速を続けています。
今のところ、はやぶさ君と地上の間では256bps(bits per second)くらいの速度の通信が確保できています。この通信速度は、最近のインターネットと比べるととてつもない遅さです。漢字やひらがなを一文字送るのに16bit必要なので、256bpsでは一秒間に16文字しか送ることができません。これは100kbの写真を送るのに6分40秒もかかる計算です。実際には、はやぶさ君の「今の体調」も報告させながらデータをダウンロードしますので、もっと時間がかかります。

それでも、はやぶさ君にとってこの通信速度は結構速いほうです。256bpsの速度で通信ができれば、設定によっては30秒に一度はやぶさ君の健康状態をチェックできます。
はやぶさ君との通信速度は、はやぶさ君の向き・距離・アンテナの面積などによります。距離が半分になると、受信効率は4倍になります。また、アンテナのお皿の半径が半分になると、受信効率はだいたい1/4になります。現在使用しているアンテナは、直径64mのうすださんではなく、鹿児島県内之浦にある直径34mのうっちーさんですので、お皿の面積ではちょっと不利です。
とはいえ、今のところはやぶさ君がイオンエンジンを吹くための向きと、通信に適した向きの関係が悪くないこともありますが、やはりはやぶさ君の近さをひしひしと実感しています。はやぶさ君との通信にかかる往復伝播時間も10分を切っています。

2010年1月14日00時00分(日本時間では、1月14日の09時00分)現在のはやぶさ君は、地球からの距離58,722,790km、赤経9h46m26s、赤緯17.35度にいます。