The Rocketeers

酒さんからのInfoで。

・・・思わず、畜生!と。

・・・そして、ある人物については、

糞、見直してやる!山師であろうが何であろうが見直してやる!
ただ、宙へ昇るロケットを完成させてくれるなら!!!

と。




Text Fm:大塚実の取材日記

新宿ロフトプラスワンのイベント「ホリエモントークライブSESSION 6 堀江貴文&松浦晋也&笹本祐一&あさりよしとおの宇宙はそんなに遠くない!」を見てきた。


"ホリエモン"こと堀江貴文氏は、今年になってから各メディアのインタビューにおいて、宇宙開発をやっていることをさかんにアピールしていた。その中で、「僕らが」と表現していたのがすごく気になっていた。一体誰とやっているんだ?


で、今日、それが判明。なんと協力者は身内に。私も宇宙作家クラブのメンバーなんだが、全然知らなかった。ずーっと、こんな楽しそうなことを、内緒でやっていたのね。


正式なプレス発表でも何でもないが、結果として、これがホリエモンの宇宙プロジェクトのお披露目となった。


せっかくなので内容をそのまま以下に紹介したい。なぜか録音を禁止されていたので、メモの正確さは多少落ちるが、それを踏まえた上で、参考程度にどうぞ。


堀江
生まれる前にアポロが月に
いま37歳
当然ながら太陽系の外に行っていると
当たり前ながら思っていた


起業して
ミールが売りに出ていた
20億円くらいだった
頑張れば買えるかと思った
しかし年間の維持費が同じくらいかかる


あと3年待ってくれと思ったが
待ってくれずに南太平洋上に落ちた


あのころから宇宙開発はおかしなことになっていると思った


スペースアドベンチャーズ
2002年
同じことを考えているやつがいると思った


2004年に社長に会った
そいつに会ったら
日本人がお金を払って行っただろう、
あれを見てやったんだと言った
TBSの秋山さんのこと


松浦
TBSのトータルは50億円
ロシア宇宙庁には15億円くらい
今は30億円


堀江
そのあとロケットエンジンの燃焼試験
スペースX
2005年くらいに会っているが
彼はすごいなと
エンジンを作っている
俺も作らなきゃと思った


そのころにこの3人に会った


笹本
一番最初に会ったのはまだライブドアにいたころ


有人でフジという計画があった
あれは有志で計画したもの


あさり
既存のH-IIロケットで上げられないかという検討会


松浦
こういう報告書にまとまっている
これができたんであちこちまわったが芳しくなかった


笹本
カネがないと言われた
じゃあカネがあればいいのかと思っていろいろ人を探した


堀江
僕もあちこちで宇宙開発したいと言ってきて
コネもできていて
ロシアのカプセルを買ったり


日本でも誰かやっていないかと思っていたら
ガイナックスから紹介された


初めて会ったのが2004年


ガイナックスとは
オネアミスの2を作りたいと話をしていた
大ファンで何十回も見ている


地球で言ったらガガーリンの話
現代の話にしたい
民間で行くような


ジョイントで実際にロケットを飛ばそうと
それでマッチングされた


笹本
民間でやるんなら
最初はロシアから買ってくるのがよろしい
大学の先生に手紙を書いてもらうところから始めようと


打上げにはエンジンは最低4台必要
試験1台
本番1台
予備が1台
あと何だっけ


続けるにはダース単位が必要


ロシアは
そのあとアメリカへの売り込みに成功
アトラスとか
段々向こうが強気になってきた


堀江
エンジンの値段が高騰してきた


社長が言っていたのは
うちは12ミリオンで買えると


そしたらみるみるうちに値上げ


笹本
エンジンを買うにしても作るにしても
エンジンを知らないと交渉もできないと
で、作ることになったんでしたっけ?


堀江
それもあるが
商用で使えるモノは事実上ロシアしかない
なので値段が高騰している
これは作らないとまずいよねと


作らないと結局高く買わされる
からし


世の中の人が知らないこと
ロケットが高いのは
ロケットが特殊だからではなくて独占しているからだ
市場原理にのっとっているだけ


たくさん作れば安くなるはず


そんなこんなでエンジンを作ろうと2005年に言っていた
そしたら僕が捕まっちゃった


拘置所のなかで設計図を見ていた
本物の設計図が某チーフデザイナーから差し入れられて
手書きのヤツが


検察庁の検事に宇宙の話をしていた
4週間くらい取り調べ
そのうち2週間はロケットの話をしていた


こいつはハッタリでなくて本当に考えていると思っただろう
ほとんど事件の話はせず


それを見ながら
あとは宇宙関連の本を差し入れてもらって
世界のロケットに詳しくなった


ソ連系がものすごく多い


そう考えると
ロシアの宇宙技術に関する独占は深刻な状況


松浦
ソ連は冷戦時代に徹底して開発


笹本
米国はシャトルまで


松浦
ガガーリンが第1世代
第2世代はプロトン 2段燃焼で150気圧くらい
プロトンはいまだにたまに失敗している

第3世代 エネルギアのエンジン 250気圧くらい


米国でいうと
第1世代
第2世代 シャトルくらい そこで終わった


堀江
いまは先祖返り


笹本
アレスIの打上げ見ました?

不格好で大笑いした
本気かと


堀江
なんであんな形に?


笹本
80過ぎのおじいちゃんから話を聞いていたとか


松浦
結構ありますよ
引退した技術者から聞いたと

それくら米国は技術が途切れている


堀江
エンジンの開発をするとそれがいかに重要か分かる


あさり
テキストにないものがある


堀江
ボール盤を使うときに軍手を使っちゃだめなんて知らない
書いてないし


松浦
次のエンジン デルタ4
性能は落としてコストはそれ以上に落とす
技術的に先に進んでない


堀江
ということでエンジンをつくることに


都内某所で


笹本
SF作家漫画家
相談に行くと


堀江
最初どこに頼んだらいいのか分からなくて迷っていた


あさり
工場は飛び込みの依頼はあまりメリットがない
ロケットの部品という明細が着いたときに
受けるべきかどうか
グレーだったら受けないのが普通
ずっと断られていたときに


堀江
インターネットのNCネットワークで検索した
1994年くらいに
受発注するサイトを作った
頭の片隅に残っていた
誰が使うんだろうと思っていたら自分が使うハメに


調べて
何件か回った


笹本
数百人規模のところは話すら聞いてくれなかった
数十人規模のところは少し


あさり
ロケットの部品を注文しにいったのが
SF作家漫画家だった
趣味でロケットエンジンを作りたいと言ったら
ああそうかとすんなり


笹本
燃料漏れは怖いので精度は欲しい
高級な技術を持っている町工場へ

この写真
3つ手前にあるもの
インジェクタープレート
燃料はエタノール


堀江
燃料の検討から始まった
エタノールなら万一ばらまいても平気


笹本
毒性もない
買うのも簡単
薬局で買える
実際この前買った

無水アルコールは高かった
何が問題かというと
水を混ぜるとお酒になる
半分くらい酒税がかかる

工業用アルコールは不純物がまぜてある
酒にならないので酒税がかからない


笹本
近所のドラッグストアで反ダースくらい買ってきた


次のスライド


あさり
フライトモデルは考えていないので絶対に上がらないもの
厚くて重い
これが2006年の秋


笹本
写真はWEBに公開しないでね

堀江さんが拘置所で見ていた設計図を元に

パイプを切って
東急ハンズでも売ってないので

ジョイント


堀江
これは大事


笹本
斜めになっているのにパイプを
締め付けトルクで圧着されて密閉される

そう簡単に漏れない配管系ができる


松浦
重要なのは探せばすぐに見つかるパーツ


笹本
ベニヤを使っているテストベッド
家内制手工業的な

タミヤのモーターも


堀江
実際に燃焼するまで2年かかった

この写真は
2007年正月の絵


笹本
水流し試験


あさり
メーターはヤフオク
窒素ボンベも簡単に


笹本
流量試験
風呂場で

第2期
うちのクルマで機材を積んで移動

この写真
穴をやすりで 大変
しかしロケットだと思うとすごく楽しい
家に戻って仕事すると落差


あさり
しかし俺の家にはあれが1年居座って
別に秘密にしてなかったが
人に聞かれればロケットのエンジンだ、と


堀江
これに3カ月くらいかかった
見ても分からないだろうけど


あさり
エタノールが入らない
水と若干粘性が違う
斜めに切るという


堀江
液体酸素が一滴も入らない
すぐ蒸発して押し返す


笹本
液体酸素を常温のパイプに入れると
片っ端から蒸発する


堀江
圧力をかけて入れるかという話になった


あさり
とにかく狭い
入れるんだったらタンクを冷却しないと


2個穴があるんだから両方使う
1個から入れてガスはもう1個から逃がす
その方法を見つけるまで3カ月


笹本
誰も教えてくれないし


堀江
そういうことをやりつつ治具ができる


あさり
シャトルの燃料注入を見ていてすごいないと
たった3時間で
すごいという意味がこれをやって変わった


堀江
これは熱電対
温度計であり水位計でもある

基板も自作
3人で分担


あさり
白い箱がコンピュータ
赤いのが緊急停止ボタン


堀江
これがカプラ
よく壊れる


笹本
これが電気系


あさり
これだけ物々しくても
バルブを開ける/閉めるしかしてない

そして自動制御で水流し試験


堀江
ぶつかって霧状にして

この写真は液酸が入っている


あさり
このときの問題
あそこで沸騰してガスになっている
この段階では出てない


堀江
液酸が大変


あさり
このあと断熱に至る


堀江
短いからいいだろうと思っていたら
重要だった

今はグラスウールじゃない
すごい断熱材


松浦
ウレタンフォーム


あさり
空気を閉じ込める


笹本
北海道は平気で水道管が凍る
冬にはロールで売り出される


堀江
断熱を完璧にすると
インジェクタのところまで液体のままで来た


笹本
このあと熱い映像に


堀江
このカメラがいい


あさり
カシオのEX-F1が笑っちゃうほどいい
600フレームで撮った


堀江
燃焼がめちゃめちゃよく見える


ビデオ
今はもっと良く燃えているが
これはかなり初期


あさり
いろいろ条件をかえて
こうじゃないと安定しないというバンドは分かってきた


堀江
600フレーム
昔はこれがなくて良く実験できたなと


あさり
デジタルなので即応性がいい
昔は現像するまで分からなかった

使ってみてビックリした


堀江
このカメラ
我々が一番有益に使っているのでは


あさり
ヨドバシでも12万円した
いまは7万円くらいで


松浦
そういうわけでロケットエンジンを作る人はEX-F1を購入すること


堀江
液酸
湿気の多いところでやると
水蒸気が凍って詰まる
結石みたいに
乾燥が大変だった
そのノウハウも


あさり
布団乾燥機を使ったり


堀江
それを全部手作りで


あさり
環境を整える方が大変


笹本
自動車の点火プラグを使った
意外と壊れない


堀江
カローラ
どこでも入手できる


あさり
安いのが重要


ーーーー休憩


堀江
日本の某所で粛々とやっている

松浦さんが忙しくてなかなか来る時間がない
そして来たときは大体実験がうまくいかない


ビデオの続き


笹本
では一番新しいのを

いまチャンバーなし

このあとチャンバーつき

キレイ


堀江
カメラだと迫力がないが
実際に聞くと半端ない


あさり
離れた場所で聞いていたが
すごい

とりあえずこの実験場はもうダメだねと


堀江
近所迷惑になる
近くても数100mは離れているが


笹本
これだとドンという感じ


あさり
離れるとパーンという感じ


松浦
上に逃がす方法はある


堀江
チャンバー付けていきなりうまくいくとは思っていなかった

うまくいったとき
僕とあさりさんだけだった

去年の夏


笹本
8/23らしい


堀江
今はさらに進化している
見せられないのが残念だが


笹本
今はちゃんと設備が整ったところでやっている


堀江
このまえ燃焼試験を
1日に10回近くやった
1秒くらいの短いのも入れて

さっきのは5秒の試験だが
いろいろ1秒も


笹本
ハイスピードカメラがあるので1秒でも分かる
燃料も食わない

パラメータは圧力を変えている


堀江
実験場には苦労した


笹本
行きやすくて
周りに迷惑がかからないところ

関東周辺を探して
まずダメだろうと


堀江
すごいところも検討した



質問コーナー

Q 今回公表したのはなぜ

A あさり
別に秘密にはしてなかった
1年間うちの台所にあった


Q 燃料はなぜエタノール

A 買いやすいから


Q どうやって圧力

A 堀江
ヘリウムになって大変になった

笹本
分子が小さいので漏れる


Q 松浦さんも関わっているか

A 松浦
関わっている
この件については完全にジャーナリストを捨てている


Q 北朝鮮のレベルはどのくらい?

A 笹本
残念ながら我々よりは進んでいる


あさり
われわれは後ろからガス圧で
なるべくローコストで軌道までがテーマ


堀江
ミスを減らすのが重要


Q 何億円も開発資金は出せるのか?

A 堀江
出すも何もそんなにかかってない

笹本
なつのロケットが目標

あさり
小学生が3段式ロケットを作って人工衛星を上げるマンガ
数百万〜1000万円でいかないかと

堀江
1,000万円未満でやりたい

笹本
最初はみんなでカネを出してやろうと
1人あたり100万円くらいかなと


Q 目標はやはり有人ロケットか

A 堀江
目標は有人

笹本
目標の1つであって将来的には宇宙征服を
有人飛行だけだったら30億円払って行けばいいでしょ

堀江
笹本さんは30億円も持ってないでしょ
それに1回行ったら終わりじゃない

笹本
世の中を変えたいと思っている

堀江
今までの世界で
人間を安く打上げようと考えて作られたロケットはない


結論としては
僕らが作っている格安なエンジンで上げられるようにしようと


笹本
今のロケットがF1だとすると我々が作ろうとしているのはスーパーカブ


松浦
この考え方はシャトルの頃からあったが
周辺技術がなかなかなかった
今になればできるかなと


堀江
当分この事業はお金にならない
10〜20年スパンでお金を続けられないといけない
道楽だからと言えるくらいでないと

参加したいと思った人は自分で工作したりして
スキルをためて欲しい


松浦
作ってみたいと思った人は
今のレベルだったらクルマ1台分以下
10人集まれば安く
ただし知識は必要


堀江
切磋琢磨して競争して
ある意味では協力したり

みんなで宇宙に興味あるんですと
集まって話をすることはあっても
なかなか作ることはないが
僕らは一線を越えた

一線を越える人がどんどん出てきて欲しい
「ロケット実験祭り」もできるようになればいい


あさり
ロケットを持ち寄って組みあわせるのもいいかもしれない


堀江
コラボできる仕組みも作れるといい
今度ロケットまつりにも呼んでください