B.B.C. Special 英國機の世紀【再放送】

放送日:毎月最終土曜日 25:00 - 27:00
再放送:毎月最終日曜日 01:00 - 03:00、ほか。

第1集 英国航空の幕開け:ブルックランズは歴史の断片をとらえ始めた
第2集 王立空軍の完成:英国の兵士たちは凄まじい戦力の出現を見た
第3集 それはF7/30から始まった:噴き出したゴスホークの湯気が駄作を生み出した
第4集 デファイアントの絶望:英空軍は複座戦闘機の復興を掲げたF9/35に未来を託した
第5集 FAAは地獄を見た:アルバコア、バラクーダ、そしてファイアブランド
第6集 成層圏の空の下に:高高度に向けて,ウェルキンは苦難の道を歩んだ
第7集 敗者の空中分解:英国旅客機の衰退はコメットの事故から始まった
第8集 恐怖の中の開発:3V爆撃機は最終兵器・核を抱いて離陸した
第9集 サンディスの衝撃:英空軍が揺らぎ始めた
第10集 TSR2の悲劇果てしなく:絶え間ない開発中止、さまよう設計者の慟哭があった
第11集 JANOME:岡部ださくが見た英国機・英空軍・英海軍

番宣トレイラー映像より
今日は美しい天気。なのに、やっぱり、僚機が落とされた。
悔しいが、これには味方は手が出ない。前方機銃がないのだ。
それをいいことに、あの恥知らずのドイツ空軍機どもは正面から襲い掛かり、好きなだけ機銃掃射する始末だ。
スピットかハリケーンの応援を絶えずじりじりと待ち受けているのに、いっこうダメ……。
私達の上を飛び回っているのは、ただ、ドイツの黒いカラスばかりなのだ。

                ――No.264スコードロン隊員の回想より

あのころ、英空軍はまだ疑うことを知らなかった。
ハリケーンと同じマーリンIIエンジン、背面の動力銃座……。
機銃は四連装――敵機が背後につけば、息もつかぬうちに、すぐ終わる。
大した犠牲を出すこともない……。
私たちはこんなふうに、1940年の戦争を単純に思い描いていた。
 クリスマスまでには家に帰ってくる。
No.264スコードロンの隊員たちは、笑いながら母親に叫んだ。
    「クリスマスにまた!」

                    デファイアント乗員の手記より

私がRAFに来たのは、ここでは格納庫にデファイアントが敷き詰められていると聞いたからでした。
しかしここに着いて三つのことを知りました。
まず第一に、
格納庫にはデファイアントなど敷き詰められていないということ、
次に、
そもそもデファイアントはまったく野ざらしにされているということ、
そして最後に気付いたのは、
このデファイアントに搭乗する役目は私に課せられているのだということでした。

――志願兵の手記より